cometikiの9割は寺脇康文さんで、できている

私の9割は寺脇康文さんで、できている。…ので自然と思考が寺脇さんにつながっていくのでした。イラスト、日々のあれこれをまとめていきます。

地球ゴージャス公演vol.3『地図にない街~DOHENEKE-HEKISHIN~』感想。

寺脇康文さん イラスト 妄想 舞台『地図にない街』1

舞台『地図にない街~DOHENEKE-HEKISHIN~』について

この作品は、1999年に東京:アートスフィア(天王洲アイル)と、大阪:シアター・ドラマシティで行われたものです。

地球ゴージャス公演の、3作目になります。

原案・作は、藤永貴司さん。

作・演出が岸谷五朗さんと、寺脇康文さんです。

DOHENEKE-HEKISHINの読みは、ドヘネケヘキシン。

岸谷さんが、劇団スーパー・エキセントリック・シアター時代にも同じテーマで、作品をつくられたことがあるそうです。

■キャスト

記憶の番人(きおくのばんにん):岸谷五朗さん

深見光(ふかみひかる):寺脇康文さん

原泉(さはらいずみ?):純名りささん

調真実(しらべまさみ):山本未来さん

道徳寺倫理(どうとくじともみち?):山西道広さん

今肥雄太(いまごえゆうた):小野真一さん

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■あらすじ(個人的超解釈ですので、ご注意ください)

舞台は、仮想現実の世界。

そこで出会った1組の男女。

「現実で会おう」と約束したものの、相手の男がやって来ません。

原泉純名りささん)は、もう一度仮想現実の世界へ行き、男を捜します。

泉が訪れた場所は、西部の街。

”思い通りの自分”になった人たちが、そこでの生活を楽しんでいました。

そう。この世界では、性別も年齢も身分も関係なく、自分の思い通りの人間として生きることができるのです。

もしかすると約束した”彼”は、既に姿形を変えているかもしれません。

人探しをしている泉を気に掛ける、深見光(寺脇康文さん)。

泉は深見に”彼”のことを話しますが、知らないと答えられます。

その頃。

仮想現実の世界で起きた異変について、刑事の調真実(山本未来さん)と、道徳寺倫理(山西道広さん)が捜査をしていました。

取調室に、バーチャルリアリティーを管理する会社のエンジニア・今肥雄太(小野真一さん)を呼び、会社のパンフレットに乗っていない場所。

”地図にない街”について、尋ねます。

しかし、今肥にもわかりませんでした。

逆に今肥が、”地図にない街”について問うと、「そこへ行った者は、それ以降。

仮想現実の世界へ戻ることも、犯罪を犯すこともなくなった」と、調は答えます。

そして、その理由について知りたいと。

バーチャルリアリティーで、一体なにが起きているのか?

今肥と共に、調と道徳寺も、仮想現実の世界へアクセスします。

実際にその体験して、”地図にない街”の手がかりを掴もうというのです。

そこには、現実から逃れるように、バーチャルの世界で生きている人々がいました。

彼らは、”ココ”でしか生きられない苦しみを、抱えています。

調と道徳寺の正論によって、現実を改めて突きつけられた彼らの前に、扉が現れました。

”地図にない街”へと続く扉が―…。

扉は”記憶の図書館”へ通じていました。

一人ひとりの人間の記憶が、一冊の本になって存在する場所。

仮想現実とは、また別次元の空間です。

現実に耐えかねて訪れた人々に、”記憶の図書館”を管理する、記憶の番人(岸谷五朗さん)は、辛くて変えたい現実を変える術を教えます。

それは、記憶の番人から”意志”という名の鉛筆を受取り、自分の本の中身(記憶)を書き換えるというものでした。

そうすれば、現実の自分も変わるというのです。

人々は皆、我先にと記憶を書き換え、現実へと帰ってゆきました。

しかし。

記憶を書き換えた人間に待つものは、未来や理想を追い求めない、ただ淡々とした毎日。

目の前の苦しみから逃れた彼らは、二度と夢を追うことができなくなるのです。

深見と泉も、それぞれ現実では耐えられない苦しみを抱えていました。

深見は記憶の番人の言葉に流され、記憶を書き換えようとしますが、泉がそれを止めます。

約束をした”彼”が深見だと、気付いたからです。

深見も、約束をした”彼女”だとわかっていました。

ただ、現実では人と喋ることがままならなかったので、認めることができなかったのです。

けど、泉はそんな深見を「受け止める!」と宣言します。

泉の決意に、深見も覚悟を決め、過去を受け入れ共に生きる道を選択するのでした。

そしてもう一度、現実で会う約束をします。

同じ待ち合わせ場所に、同じ目印の赤い傘。

今度は現実で、しっかりと泉と深見は手を取り合うことができたのでした。

寺脇康文さん イラスト 妄想 舞台『地図にない街』2

劇中に使われる曲が大好きでした!!

オープニングで泉(純名さん)が、”彼”を想って唄う歌が「The winner(takes it all)」(※曲名違っていたら、ごめんなさい)。

切なさと愛おしさがひしひしと伝わってきて、聴くたびに涙しました。

この歌は深見が「好きだ」と、言っていた曲なのだそうです。

劇中でも、何度か泉が歌う場面がありますが、たまりません!

感情がぐわっと、溢れる感じなのです。

一気に、胸が締め付けられます。

現実では男性なんだけど、仮想現実の世界ではショーガールという、アニー(はるな愛さん)が歌う、松田聖子さんの「あなたに逢いたくて~Missing You~」も好きでした。

アニー…いえ、はるなさんが聖子ちゃんぽく歌われるのがツボですし、さらにアニーが歌い始めると、寺脇さんや他の演者さんたちが現れて、周囲をクルクル踊り始めるのです!

それがとっても可愛らしくてっ!!

可愛らしすぎて、笑ってしまったほどでした!

今肥が仮想現実の世界について説明するときに流れるのは、サザンオールスターズ

「01MESSENGER ~電子狂の詩(うた)~」では、沢山の演者さんがダンスされます。

そこには、寺脇さんも混ざっておられてっ!!

すごくカッコイイダンスだったので、「寺脇さんが踊られていたら、どんなにいいか…」と思っていた矢先に、寺脇さんを見つけたので発狂しそうでした。

この3曲は、いつ聴いてもすぐに舞台『地図にない街~DOHENEKE-HEKISHIN~』の扉を開ける、鍵になってくれます!!

寺脇康文さん イラスト 妄想 舞台『地図にない街』3

対人恐怖症の深見が、勇気を振り絞る瞬間がたまりませんでした!

深見と泉が出会ったときは、お互い別人の姿形を使っていました。

それが今回の街では、互いに現実世界と同じ姿形で出会います。

初対面の2人ですが、出会ってすぐになんとなく「あ、彼女だ」「あ、彼だ」と、気づくのです。

けれど、現実世界の深見は対人恐怖症なため、バーチャルリアリティーの外で彼女と会うということができません。

また、泉も過去に親友を傷つけたことがあり、そのため人との関わりが不得手です。

互いに気になりながらも、一歩を踏み出すのが怖くて、初対面のフリをします。

本当の自分を知られることで、嫌われてしまうのが怖いから。

記憶の番人から、記憶を書き換えられるように勧められた深見に、ようやく泉が自分が以前約束していた相手であると告白します。

そして、嘘を吐くような形になったことを謝るのですが、深見は柔らかく微笑むのです。

 深海「顔や声が変わっても、どんなに嘘を吐いても。君は一人しか居ない。俺には君がわかるんだ―…」

 >引用元:地球ゴージャス公演vol.3『地図にない街~DOHENEKE-HEKISHIN~』

この世で、たった一人。

君だけはわかる…姿形じゃない、心は変わらないから、と。

本当に本当に、惹かれあった2人なんだなぁ…と、この言葉を聴いてキュンとしました。

深見がこの言葉を口にするまで、泉との間にはいろんなことが起こります。

だけど、心で繋がっている2人なら、どんなことでも乗り越えられると思うのです!!

独りじゃ出せない力が、きっと出る!!

私はこの物語、ずっと深見に感情移入して観てました。

実は対人恐怖症で、現実では一言も喋れないところとか。

その原因になった事件とか。

深見の、苦しみや悲しみが流れ込んできて、心臓が痛かったです。

その分、傷を受け入れて進んでゆくことを選んだ時の喜びは、一入でした。

 深海「今日がダメでも、明日誰かと話せるかもしれない。何のためらいもなく最初の一言が言えるかもしれない。そう思える限り、俺にだってまだ、生きている意味はある!」

 >引用元:地球ゴージャス公演vol.3『地図にない街~DOHENEKE-HEKISHIN~』

弱くて、弱くて、叫びたいほど弱くて、ダメでも。

明日を思い描けるから…大きな瞳に、強い光が宿って。

力強く宣言する、深見の姿を見て、私。

滝のように、涙と鼻水が流れました。

まるで自分が、そう宣言したかのような感覚になって、泣いてしまったです。

「そうだよね!まだ大丈夫だよね!!」と。

今までがダメでも、これからがあるじゃないか!と。

フラつく足でも、まだ立てるんじゃないか…って。

小さくても、一歩踏み出せるんじゃないか…って。

心が、震えました。

仮想現実の世界から出て、深見は泉との待ち合わせ場所へ行くことができます。

けれど、現実世界に戻って来て、部屋の扉を開ける時。

深見には、どれほど勇気がいっただろう…。

家の扉を開ける時、何度開け閉めして、自分を奮い立たせただろう。

「大丈夫、大丈夫」

そう唱えながら、一歩づつ歩いてきただろうと思うと、また号泣です!!

すっごい怖いですもん。

生身の自分で。

痛みを伴う、この世界で。

立ち止まっていた足を、再び動かすのは。

約束の場所へ。

約束の赤い傘さして。

立っている深見に、泉さんは微笑みます。

 泉「入れて、くれますか?」

 深海「……あ、あかい…傘で、…よければ…」

 >引用元:地球ゴージャス公演vol.3『地図にない街~DOHENEKE-HEKISHIN~』

泉が、深見の元へ行き。

深見がそっと傘を傾けて、泉を入れてあげる。

よかったねぇっ!!

おめでとぉうっ!!

よくがんばった!!

ホント!

がんばったよ!!

手が千切れるほどの拍手を2人へ…送りながら、また号泣です!

深見が一言、言えたことにも感動してしまって。

 ちょっとためらう、空気。

 震える声。

 それから。それから…。

「あう゛あう゛」と訳のわからない言葉を口にしながら、涙、涙です。

この舞台を観て以来。

私は赤い傘を見ると、自然と深見の台詞が自然とリピートされるようになりました。

独りつぶやいて、それから胸を熱くする。

そうだ。

私も頑張るよ。

深見の勇気を、忘れないよ。と、思うのです。

※役名の敬称は略させていただています