楽しむって決めることで見えた新しい道!
2016年1月9日から、赤坂ACTシアターで開催されている、地球ゴージャス公演vol.14 舞台『The Love Bugs(ザ ラブ バグズ)』。
メインキャストに岸谷五朗さんと寺脇康文さん、そして城田優さん、蘭寿とむさん、大原櫻子さん、平間壮一さん、マルシアさんが出演されています。
今回は2月20日の夜公演と、21日の昼公演を観てきたときの感想書きます。
1月に観たときは、ストーリーを追うのに必死になりすぎてたので、今回は場面重視で!!
「楽しむ!」と決めて観ていたら、前回掴めなかった想いの裾を、かすかに掴めたっ!!(気がする)←当者比
それを忘れない内に、書き留めておきます!
この先感想内に、ネタばれも含まれますので、ご注意ください。
その想いをかすかに掴めたのは、21日の昼公演を観たとき。
『The Love Bugs』、4回目を観劇中のこと。
「あれ?岸谷さんが言われてた、テーマ…っていうか、伝えたいことって、こういうことかぁっ!?」…と、じんわり感じられました。
気づけば、岸谷さんからのメッセージは、いろんなキャラクターの言葉の中に、沢山散りばめられている。
物語に登場する順番や、言葉は正確に覚えてないけれど…4つほど、思った。
1つ目は、人間が当たり前に使ってる力(知識や技術力とか…色々)は、昆虫たちからすれば魔法みたいに強大なものだ。
すごい力を持っていることを、人間は自覚しなくてはいけない。
2つ目は、自分の目で見たものだけが真実だって思い込んで、差別するのって人間だけかもしれない。
それぞれに、いろんな見方があることを、受け入れられたらいいのに。
3つ目は、人間のおこす戦争は、昆虫たちにしたら、いくら声を上げても絶対に阻止できない。
でも人間なら、止めることも、回避する知恵も持っている。
どうか僕たち(昆虫)の代わりに、声を上げてください!
4つ目は、自分のためじゃなく、“誰かを守るため”に武器を取り戦ってしまうこともある。
けれど…その後に残るものは、傷つき悲しみに満ちた心だけ。
戦うことで得られるものは、何もない。
戦う理由はいくらでも作れるけど、その前に戦わずに済む方法を、どうか考えてみてくれませんか。
前回観たときは、物語の前後関係…寺脇さん演じる・今中さんの台詞で「え?戦争してもいいってこと?」と、本気で思ってました。
「誰かを守るため」という大義名分があれば、戦争することは許される…と。
でも、そうじゃなくて。
“戦いが終わった後を見てみなよ!”って、ことだったんだ!!
ゲンシヤマトとの戦いが終わって、勝ち残った昆虫たちは悲しみしか手に入れられなかった。
勝っても、負けても、戦争は何も残さない…。
この物語で昆虫たちは、戦いを選んでしまったけれど、回避する道が…昆虫ではない、人間たちなら、きっと、きっと見つけることができるハズだと。
見つけて欲しい…ってことだったんだなぁ、と思った。
昆虫たちだから伝えられる、人間たちへのメッセージ
前回、なんでこのテーマに気付けなかったんだろう?と、振り返ってみると…「私…全然、昆虫たちの立場にたってなかった」と、いうこと。
舞台『The Love Bugs』は、昆虫の世界を描いてますよ!と、言われているのに私は、演者さんたちを“人”として観ていたんだ。
頭では“演者さんたちは、昆虫!!”と理解していても、気持の面では全く受け入れてなかったなー…と、4回観て気づきました←遅っ
岸谷さんが公演前のPR活動中に「人から人へ何かを伝える んじゃなくて、昆虫たちから人へ伝えたいメッセージがある」って、言われていた意味もようやく本当に理解できた気がします。
人間として、人間同士で伝える言葉だと…“アタリマエ”過ぎてわからないことが、昆虫たちの目からなら「すごいこと」だったり「なぜ?」という疑問が生まれて。
昆虫たちの想いを聴くうちに、改めて“人間とはなんだろう?”ってことを、考えることができるんだなぁ。
なにかができるから“すごい”んじゃなくて、普段の生活をしているだけでも、人間が昆虫たちに(…いや、自然界全体に)与える影響は強いんだと。
例えば、夜。
人間が生活しやすいようにと作られた街灯も、昆虫たちには太陽に見えて…間違えてそれに向かって飛んで、命を落とすこともある。
街灯が危険なものだ…なんて、人間として見ていたら、考えつかない。
むしろ、暗い道があると「なんでもっと街灯を増やさないんだろう?危ないなぁ」と、思うくらいなのに。
でも街頭を1つ増やすことで、危険にさらされる別の命があるんだなぁ…そんなの、考えもしなかった。
夜に電気をつけることは、“アタリマエ”だって思い込んでたから。
そういった思い込みで、見えなくなっているものが、沢山あるんだと思う。
戦争反対じゃなくて、ただ、あなたの笑顔が見たいという願い
昆虫たちからのメッセージについて、考え込んでいる間に舞台はエンディングを迎えてしまった。
スィンクルマン(城田優さん)の希望を叶える為、彼を食い殺してしまった、ティアラ(蘭寿とむさん)。
悲しみにくれる彼女を、仲間たちがなぐさめる。
それがエンディング曲なのだけど…ここでさらに気がついた!
この物語は「戦争反対」や「自然保護」とか、大きなことを言いたいのではなくて、もっともっと小さな…それでいてすごく大切なことを伝えているんだ!と。
それは「あなたの笑顔がみたい」という、小さな願い。
大好きな人の笑顔を、守っていきたいという、強い願い。
もしも、この願いを叶えていけたなら、戦いなんて大きなことはおきないだろうと思った。
自分にできることなんて、たかがしれてるけど…その“たかが”を大切にすることで、守れるなにかもあるんだと。
みんな1人1人、その人にしかできないことがあるんだと。
だから、まずは自分を大切にして、生きて。
楽しむって決めて、生きて。
生きものは、必ずいつか死ぬときがくるから…生きて、生きて、生きたとき、隣にいる人も同じ顔で、笑っていてくれたらいい。
ただ、それだけでいいんだよ…って、ことだったんだ。
すごくすごく優しいメッセージを、舞台上の演者さんたちから受け取れたとき、私は客席で号泣してしまった。
なんか舞台『The Love Bugs』については、あれこれこねくりまわして考えすぎちゃったんだなぁ、私。
えらく遠回りをしてしまったけれど、ここにたどり着けてよかった。
さあ、次は大阪公演だ!!