雑誌『TVガイド』の寺脇康文さんのコメントを見て、期待してました!
寺脇さんが主演のドラマ『紙つなげ!』が、2014年11月9日(日)の『池上彰のJAPANプロジェクト』内で放送されると知り、先週本屋さんへテレビ雑誌を探しに行きました。
すると、放送前に発売されていた雑誌『TVガイド』様に、寺脇さんが掲載されている記事を発見できたのです!!
寺脇さんのコメントを読んで、私はドラマへの期待が高まりました!!
(自らが演じた)佐藤さんからいただいた「プロフェッショナルとは、いつもの作業をいつも通りにこなすことだ。気合を入れ過ぎてはいけない」というアドバイスに非常に感動し、実際にお芝居にも加えさせていただきました。
実際に佐藤憲昭さんご本人とお話されながら、寺脇さんは”佐藤さん”をつくってゆかれたんだ!!と、わかったからです。
寺脇さんは、人を繊細に見つめる瞳と心を持っておられるかたなので、ご本人とお話しながら役作りをされたのであれば、それは”佐藤さん”に更なる力を加えることになっているんだろうな、と。期待せずにはいられなくなったのです!!
ドラマ『紙つなげ!』のメイキング映像に胸が熱くなります!
『池上彰のJAPANプロジェクト』は2部構成でした。
ドラマ『紙つなげ!』の本編の放送があったのは、第2部でしたがドラマのメイキング映像は、第1部で放送されています。
撮影現場の様子や、演者の皆さんの簡単な紹介、そして寺脇さんのインタビューがありました。
インタビューされたのは、テレビ『137億年の物語』で共演された、相内優香さんです。
寺脇さんと相内さん…見慣れたコンビなので、相内さんが質問して寺脇さんが答えられるまでは、いつもの番組内での打ち解けた空気を想像していました。
…全然違ってました。
寺脇さんは、被災者の方々が体験したことをお芝居という形で表現することについて、自問自答しながらお話されています。
できるだけ多くの人に伝わる言葉で。
難しい言葉は使わずに。
わかりやすく、しっかりと気持ちを込めてお話される…その姿に、胸が熱くなりました。
寺脇さんの中に佐藤さんが見えた気がしました。
ドラマ本編に登場する、紙を造る機械。
8号機と6号機にも、寺脇さんやキャストの皆さんはお会いされたようです。
私は、ドラマの原作本『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』(佐々涼子著 株式会社早川書房)を読んで、数字や写真を見てわかったつもりになっていました。
いいえ。全然わかってませんでした。
映像で見る姿は、想像をはるかに超えて圧巻です!!
壮大な機械を操って、紙を造る。
その職人技に、興味津々な寺脇さん←ここの表情、可愛かったー(ノ∇≦*)
それでいて、機械を動かすときの動きを、佐藤さんと確認されるときは、とても繊細に。
寺脇さんは、ひとつづつ丁寧に言葉や仕草を、受け取っておられました。
全部を一旦受け入れてから、寺脇さんは演技として昇華させてゆかれるようでした。
”佐藤さん”の想いを、別の誰かへ届けるために、細心の注意を払って大事に大切に。
だから、とても大きな愛を受け取りましたよ。
強さや、優しさ…自分だけじゃない、次の人へと繋げてゆく力。
やっぱり「すごい」としか、言葉が出ません。
寺脇さんを通して、佐藤さんから直接いただいた想いのように感じました。
原作『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』(佐々涼子著 株式会社早川書房)を読んで
この本のレビューを、いくつか見てみました。
それぞれの人の感想に、心を打たれて「これは買わないと!」と思ったのです。
そして購入…一気読みしてしまいました。
紙と人と。
本の帯に書かれている文字を見て、思ったんです。
「震災後の工場が復興してゆく様子が描かれているんだ」と。
でもそれは間違いでした。
2011年3月11日。
東日本大震災が起きる直前から、本書は始まります。
そして震災当時の状況、1日目、2日目、3日目…と丁寧に繊細に綴られてゆきました。
1人のかたの体験談でなく、いろんなかたが、それぞれの場所で体験したこと、感じたことを語られています。
色、音、臭い、寒さ、暑さ…私の想像力ではとても追いつけませんが、ページをめくるたびに入ってくる壮絶な言葉に、涙が止まりませんでした。
読み進めれば進めるほど、工場はもうダメなんじゃないか…と思わされます。
工場を動かせる状態じゃないということが、とてもよくわかるからです。
しかし、日本製紙の芳賀社長も、石巻工場の倉田工場長も石巻工場を諦めなかった。
…なんかもぉ、すごいとしか言えません。
極限状態であっても、”紙”を待つ人がいる…だから、紙を造る。
自分自身のことも顧みず、紙を造ることを決めた職人さんたち…覚悟を決めた人たちの底力に、驚かされました。
だって、半年で紙を造る機械を動かせたんですから!!
「奇跡の復興を果たした」と書かれていたことも忘れて、のめりこんでいました。
紙を造る機械を動かせるようにする…それがいかに大変なことか…いや、大変なんて言葉じゃとても済まされません。
通常でも、紙を造る機械を動かすということは、繊細で苦労の伴うものなのだそうです。
こんなお話がありました。
機械に魂なんてこもっていないと思うでしょ?でも、8号は魂を感じるマシンでね。ほかの機械はドカーンと一気に壊れるんですが、8号はじゃじゃ馬と言うか、駄々っ子というか、昨日、今日とシグナルを出して、『いじってくれなかったら壊れちゃうよ』とすねるんです。それで手を加えてやるとすぐに機嫌がよくなる。
感覚で言ったら『姫』みたいな感じだな。
でも、職人さんたちにとったら、紙を造る機械も仲間の1人なんですね。
機械にも心があって、ちゃんと意思の疎通をしてくれる…と。
だから信じられたのでしょうか。
環境さえ取り戻してやれば、きっと期待に応えてくれると。
この8号機だけじゃない、他の機械もきっと。
私は特に人間らしい『姫』と呼ばれる8号機が、大好きになりました。
復興後に初めて動いたときの姿も…愛おしさを感じずにはいられないほどです。
物理的に無理でしょうけど、抱きしめたくなりました!!
ドラマにも期待!!
『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』という本は、予想以上でした。
ありえないことを成し遂げられたのは、間違いなくその場におられた方々で…奇跡って言われてしまうのかもしれないけど…降ってわいた奇跡じゃないということ。
気が遠くなるほどの地道な作業を繰り返されたからこそ、やり遂げられた偉業なのだと…。
そのことを眼球の奥が痛くなる程、知ることができました。
私は本当に視野の狭い人間なので…こんなに素敵な本がありますよ!と紹介してもらっても、目に入らないことが多いんです。
それはまるで、この本に書かれていたタイミングのように。
人々が、その物語にこの世に現れて欲しいと願う気持ちと、物語がこの世に現れようとする力とが、ほかのいつでもなく、このタイミングで合わさったとき、それは文字となって生まれてくる。
でも、私は寺脇さんが絡んでくると途端にそのタイミングの振り幅が大きくなるように思います。
スルッと、入ってくるというか…ゲンキンというか。
寺脇さんが関わってくださったおかげで、この本を読むことができ、触れることができました。
そして、この本を造り上げてくださった方々に、感謝です。
本当にありがとうございます!!
ドラマでは、どの部分が、どんな風に映像化されるのかわかりませんが、紙と人との想いが熱く伝わる作品になっているといいな…と原作を読んで、強く思ったのでした。